「DIVA」って?
ICT(Information and Communication Technology: 情報通信技術)が
向上しさまざまなモノがインターネットに接続される
IoT(Internet of Things: モノのインターネット)が
広がる中で、これまでにあまりデータを活用してこなかった
サービスや企業でも、データを活用した新たな仕事に取り組む必要性が
高まってきています。
ですが、これまでに培ってきた膨大なデータを
棚卸しするのには時間や人員が必要で
データを集めるうちに「結局何がしたかったっけ」と目的を
失ってしまう、なんてことも少なくありません。
データを「見える化」してみたものの、なかなか結果にはつながらない、
という経験をしたことがある方も少なくないのではないでしょうか?
そこで活躍するのが、効率的に必要なデータを収集し、
成果につなげるためのフレームワークです。
商品やサービスを高度化するためには「良い仮説」が必要不可欠ですよね。
ですが「良い仮説」は簡単に生み出せるものではなく。
「面白くてお金になる良い仮説」だけを生成する方法論はない。
良い仮説を得るためには仮説の数をより多く稼がなくてはならない。
様々な業界で言われていることですが
仮説の量は質に転換する。
そこで、出来る限り多くの仮説を生み出すために作られたのが
DIVAというデータ活用のフレームワークです。
「DIVA」は
Data=データ
Information=情報
Value=価値
Achievement=効用
の頭文字を組み合わせた造語です。
データから情報、情報から価値(対象の振る舞いの変化)、
価値から効用(売上増加や経費削減)までの
プロセスは以下のようになります。
① 世の中の「事象」から、「生成・収集」によって「データ」が得られる。
② データに対して「解釈・分析」を行うことによって
そのデータが特定の人にどのような意味を持つのかという「情報」を
得ることができる。
これは見える化が実現された段階になります。
③ 情報に基づき「働きかけ」が行われることにより
「振る舞いの変化」が引き起こされ
この振る舞いの変化こそが、見える化止まりを超え必要とされる価値になる。
④ 振る舞いの変化を「効用」につなげるには
一般的な事業上の課題を解決する必要があります。
営利事業に限って言うと、競争相手よりも優れた振る舞いの
変化であることが必要になります。
その振る舞いの変化に対してお金の払い手が本当に存在するのか。
といった基本的な課題も解決されている必要があります。
多くの要素を検討していくことは
仮説を精緻に検証することに繋がりますが
一方どれだけ確からしい仮説でも
その仮説自体がサービスや企業にとって最良のものでないと
なかなか大きな成果を手にするのは難しくなります。
そうした中でDIVAでは
検討に足る仮説かどうかを判断するのに
最低限となる四つの要素を考慮すればいいので
仮説を数多くアウトプットすることができ
システマチックに比較検討することが可能なのです。
データ活用を考えるなかで非常に重要なのが
その事業やサービスが本当にデータ活用と相性がいいのか?という問題です。
むやみにデータ活用をし
データを棚卸してみたものの、
実際は定性的な観点から検証していた方がよかった。という場合もあります。
文句ばかりを言う母親
「文句ばかりを言う母親」という役回りは、
相手の目標や目的に応じて行動データを基に最適な行動を提案し続ける。
サービスによる1回1回の提案はサービス相手にとって必ずしも
愉快なものになるとは限りません。
ですが、提案を実行していくことがサービス相手にとってより良い結果をもたらし
目指す姿に近づけるという実感をもってもらえれば、「効用」につながります。
この役回りが真価を発揮するのは
教育、節電、ダイエット、健康改善、事故回避などの分野だと言われています。
仕事のできる執事
「仕事のできる執事」では、
相手の意図を汲み取って、
その時に最適な状況になるように手配をする。
一つの目的に向かって提案を続ける「文句ばかりを言う母親」では
提案を受けて行動を起こすか起こさないかは相手が
判断するというプロセスになりますが
「仕事のできる執事」はその時々の状況に応じて
最適な状態をサービスが作り出します。
例えていえば、スケジュール調整や部屋の温度の調整。
出かけい時にすでに車が用意されている。
気分や状況に合わせた音楽をかける。など
相手のニーズを先回りして把握し、実行する、というようなサービスに
おいて有用な役回りです。
一方、快適な結果を生み出すためには様々な情報を必要とします。
相手のプライバシーと、サービスや事業が実現する快適さの間で上手く折衷を取るというのが重要になります。
新しいことをやらなければ負けるし、新しいことをやれば事故は起きる。
データを取り扱うと言っても、データの取得方法からその活用の用途
さらにそれらを顧客がどのように受け止めるかまで、様々な段階があり
どんなサービスや事業においても失敗はつきものです。
そうした中で、フレームワークを活用して新たなサービスを考えて
提案していくことで
サービスの効用をきちんと検討できるだけでなく
万一失敗が起こった場合にも改善のためのフィードバック(FB)を
しやすくなると思いませんか?
データ活用について実際の様々な事例や
役回りごとに活用した場合の懸念点など
DIVAというフレームワークについて様々な観点から検討が
なされていると思います。