バーチャルオフィスとは
物理的な事務所ではなく、事務所としての機能だけをレンタルできる「仮想の事務所」です。
働き方の多様化やITインフラの進歩により、実体がある事務所に限らずとも自宅やカフェ、クライアントの事務所など、さまざまな場所で仕事をする人が増加し、近年需要が高まってきました。
一般的な事務所を借りるよりコストが抑えられ、スピーディーに会社の住所を取得できることから、スタートアップの経営者や個人事業主にも人気です。
基本的には、住所や電話番号をレンタルし、あたかもそこに事務所を構えている体裁で法人登記したり、名刺やウェブサイトなどに記載したりすることができます。
●バーチャルオフィスのオプションサービス例
基本サービス(レンタル)
・住所
・電話番号
オプション
・郵便物の受け取りや転送をしてくれる
ほとんどのバーチャルオフィスでは、登録している会員の代わりにバーチャルオフィスの運営企業が郵便物を受け取り、あらかじめ指示しておいた場所に転送するか、受け取りに来るまで保管してくれます。
・電話の転送や受付をしてくれる
オフィスに固定電話番号があることが、信頼性を証明するものの一つとして根強く残っています。
住所だけでなく電話番号もレンタルした場合、クライアントからかかってきた電話を指定した携帯などに転送してもらうことができます。
・急な来客でも対応してくれる。
来客対応サービスを提供しているバーチャルオフィスでは、常駐しているスタッフが対応してくれますので、いつお客様が来ても不在ということはなく、相手に対しても不信感を抱かせることもなくなります。
・社名を表示してくれる。
ビルのエントランスにある案内板、オフィスがあるフロアのエレベーターの横などに社名や屋号を記載するサービスもあります。
クライアントや金融機関の担当者など訪れた方に対してのイメージアップを図ることができます。
・会議室の貸し出しをしてくれる。
普段は自宅やカフェで仕事をしていても会議室が必要なシーンは出てくると思います。
そんな時は、必要な時に必要な時間だけ会議室を利用することができます。
全国展開している運営会社は1か所契約すると、そこの会議室だけでなく、全店舗の会議室を利用できるサービスもあります。
●メリット
・プライバシーを守れる
自宅と法人の住所を同じにすると心配だという方は多いと思います。
コストを抑えつつ、かつプライバシーも守りたいとお言う場合にバーチャルオフィスは最適です。
・ブランディングができる
バーチャルオフィスは、スタートアップの経営者や個人事業主ではなかなか借りることができない都心部の住所を会社の所在地として使うことができます。
人気の町や、土地柄が良く知名度が高い場所に本社を作ることで、クライアントや金融機関からの信用力が増し、ブランディング効果が高まります。
・すぐに住所を借りることができる
賃貸事務所やレンタルオフィスを契約する場合、物件探し、内検、審査などがあり、1,2か月の時間を要します。
しかし、ほとんどのバーチャルオフィスでは個人契約なら運転免許証や保険証、パスポートなど本人確認書類のみ、法人契約なら会社登記簿謄本と代表者の本人確認書類の2点のみ用意すれば大丈夫です。
・コストを抑えられる
オフィスを借りるためのイニシャルコスト(敷金・礼金・保証金など)がほぼ不要で、都心の一等地でも5000~10000前後と、かなり費用を抑えることができます。
最初はバーチャルオフィス、タイミングを見てレンタルオフィスや賃貸オフィスに移るのが得策でしょう。
●注意点
・支払いは会社によってさまざまなので、クレジット決済に対応していないところもありますので事前に必ず確認するようにしましょう。
・サービスの充実度は会社によって差があります。
あくまでも住所貸しが主な目的になりますので、その他オプションをつける際は会社ごとによって分かれますのでご確認ください。
・職種によっては登録できない場合もある。
職業紹介業・人材派遣業・士業・建設業・不動産業など許認可が必要な職種に多く見られますので、ご自身の業種が当てはまっていないか確認しましょう。
・ほかの会社と住所が被ってしまう。
バーチャルオフィスだけでなく、シェアオフィスなどもそうですが、ほかの法人と同じ住所で登記することになりますので他会社と被ります。
●まとめ
スタートアップやスモールビジネスの経営者、フリーランス、オンラインショップの経営者を中心に人気のオフィスサービスである、バーチャルオフィスについてみた来ました。
実際のオフィスを構えずとも事業に必要なオフィスの機能の一部を利用できるサービスはやはり魅力的ではないでしょうか。
よくある疑問に、バーチャルオフィスだと銀行の法人口座を開設できないのか?との不安の声が多く見受けられました。
開設できる!と断言できませんが代表者様の個人の信用を全体的に判断しているので、少なくともバーチャルオフィスがネックとなり審査見送りとはなりませんのでご安心ください。
初期費用を抑えて起業したい方は是非ご検討してみてはいかがでしょうか。