法人口座とは
皆さん個人が持っている各金融機関の個人口座と違って、法人名義での銀行口座のことを指します。
大きな違いは、法人と個人の権利や義務などの関係を区分け、取引先への信頼性を高めるのことです。
会社を設立する際に法人口座は必ず開設しなければならないわけではなく、会社を設立しても個人口座のままで取引してもかまいません。
注意点としては、会社の財産と個人資産が混ざらないように取引口座を分けておかないと取引先や税務署に余計な詮索をされる恐れがあるということです。
メリットとしては、融資や大口な取引をする場合、個人事業主だと断られたなどの声もあることから、金融の面で様々な取引がしやすくなるというメリットがあります。
●法人口座開設までの流れ
まず、法人口座開設のために必要なものをそろえます。
・会社の商業登記簿謄本
・会社の定款
・代表者印(又は法人銀行印)
・代表者印(又は法人銀行印)の印鑑証明書
・代表者の身分証明書
・そのほか会社の経営実態が分かる資料
※金融機関によって多少の違いはあります。
次に、これらの資料をそろえて審査に移ります。
審査する理由としては、一般的に社会的に信用度が高いとされる法人口座を所持しているというステータスを逆手に取り、振り込め詐欺や投資勧誘詐欺などの犯罪に使用されることが増えてきたからです。
特に新しく設立した法人の場合、運営実態がかない会社(ぺーパーカンパニー)ではないかと疑われると、口座開設を断られてしまう可能性があります。
では具体的にどのような基準があるのか。
残念ながら公開情報にはなってませんが、一般的に審査に通らないリスクが高くなる場合があります。
・資本金の額が小さすぎる
・固定電話がない
・登録の住所がレンタルオフィス(バーチャルオフィス)などに間借りする形式となっている
・公式サイトがない
・顧客や取引先と交わされた契約書や領収書がない
・事業の目的が曖昧
今挙げた上記の内容が含まれているから審査が通らなかったとは一概にも言い切れませんが、通らないリスクは高くなるようです。
また、メガバンクや都市銀行より、地方銀行や信用金庫、ネット銀行のほうが法人口座を開設しやすい傾向にあります。
たとえばIT系のベンチャー企業の場合、ネット銀行の法人口座でも取引先から違和感を持たれにくいと言えるでしょう。逆に公的機関や大手企業が取引先にある場合は、都市銀行や地方銀行に口座を持っている方がいいと言えます。
法人口座を開設する場合は、自身の会社の業務内容や取引相手のことも考慮して金融機関の選定をするとよいでしょう。
●まとめ
法人口座を作成することは確かに起業時にとってはお手間になるかもしれません。
しかし、一度作成すれば金融関係のことに関して言えば確実に個人口座よりは有益なものになります。
法人を設立した際は法人口座の作成を確実にお考えになって方が良いと思います。